女性部会主催:海上自衛隊掃海母艦「うらが」見学会(2017/9/7(木)15:00~)
■実施日時:2017年9月7日(木) 15:00-16:30
■参加人数:18名
■レポート
女性部会のメンバーで、海上自衛隊掃海母艦「うらが」見学会に行ってきました。
京急田浦駅に集合して、徒歩で船越基地に向かいます。近づくにつれて、停泊している海上自衛隊の船が見えてきて、メンバーのテンションが一気にあがりました。
早速、停泊している「うらが」に乗船し、幹部食堂に案内されました。
そこでうらが艦長自らがご説明してくださいました。
1.概要と、自衛隊における女性活躍取組みについて
●掃海隊:日本特別掃海隊は、朝鮮戦争の際に、国連軍の要求で日本の海上保安庁が派遣した掃海隊が前身。死傷者を出しながら国連軍の作戦遂行に貢献したことから、日本の世界における信頼度を向上させ、サンフランシスコ講和条約の締結を早めたとも言われています。
・第一掃海隊概要
うらがは、掃海隊群第一掃海隊に所属する船です。
6分隊あり、各分隊でミッションが分かれています。
・掃海艇・掃海母艦のミッション
主な任務は、機雷(機械水雷)の除去、災害派遣
※機雷:大きく2つのタイプ
①磁気・音響などから爆発するタイプ
②接触して爆発するタイプ(古いタイプ)
①のほうが威力があり、他の武器と比べて相対的に安価、費用対効果・破壊効果・心理的効果が大きい
※機雷の役割:海上交通の破壊。戦争・紛争のたびに海上交通の要所に敷設される
※除去方法:現場での爆破(水中ロボットでの爆弾設置、機雷に反応しない船を使って電流を流して誤爆させる方法等)
☆第二次大戦中に米軍が敷設した機雷が70年以上たった今でも残っていて、その撤去も実施しているとのこと
※災害派遣:ダイバーによる沿岸部の行方不明捜索、生活支援、孤立エリアへ物資の搬送
●女性自衛官は 51年から採用開始しており、現在全体の約6%程度。
海自では、女性自衛官の配置は物理的に部屋が用意できない場所(例:潜水艦)以外は配置されている。
陸・空と違い、海自は海に出ると長期間戻れないことから、結婚後の離職率が高い
・働き方改革の実施
価値観・意識の改革、職場における仕事改革を実施。
働く時間・場所について柔軟性のある制度を設けているが、任務で出航すると150日ほど家をあけることもあるので、代休などがとりづらい。業務を整理してまとめて休めるようにするかを現在取組中。
・育児、介護との両立
制度を理解できるよう、さまざまな講習を実施(4年ほど実施)
数%ではあるが、理解が浸透し、以前は全くとっていなかった男性の育休取得者も出てきた。育休をとるときは、陸上に配置換えをしている。
横須賀地区、田浦に24H365Dの非認可の保育園を設置
・配置制限の見直し。
社内結婚が多いため、人事的施策でどちらかが陸勤務に変更する等調整
・復帰支援
海上は5年で装備等が変わるため、育休等からの復帰がしやすいよう、リハビリをする環境を作っている
・ホットライン設置:船の中でのセクハラ、パワハラ相談用
2.うらが艦内見学
・第1掃海隊司令・うらが艦長の案内による「うらが」見学
掃海母艦の装備、上甲板、甲板のエレベーター乗降、ダイバーの潜水病治療のための高圧治療室、艦橋、艦長室、士官室 等を見学。
ブリッジでは、隊員の方にラッパを吹いていただきました。
3.うらが乗船の女性自衛官幹部との懇談
・実際にうらがに乗船している女性幹部自衛官5名とのディスカッション
なぜ自衛官になったのか、実際船の中で働いていてどうか(充実しているのはどんなときか?)
今後の働き方に関する要望(やはりいつ出動するかわからないので、24時間可能な保育所は切実なようでした)
外洋に出ると携帯が使えないため、休憩時間は同僚と話をしたり、お菓子を食べているとのこと。女性自衛官のみなさんはチョコレートが大好きとのことでした。
要望としては、「結婚しても続けられるように保育所の整備は必要」ということや、「Wi-Fi環境がほしい(JAIPA会員 企業の皆さん、ビジネスチャンスでは?!)」などがありました
男性自衛官も優しく接してくれて、今の仕事は楽しく取り組んでいるとのこと。自衛官には見えないようなとても可憐な方たちなのですが、頼もしかったです。
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見学会後は、ネットフォレスト 高橋社長おすすめの大船のお店で懇親会。
雰囲気もよく料理もおいしいお店で、参加メンバー一同楽しい時間を過ごしました。